東氏 東尚胤

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東尚胤(????-????)

 父は東中務丞元胤か。母は長空慈永大姉。官途は下総守。子に寿昌院素山

■東氏想像系図■

 東益之―+―東氏数――――――東元胤
(下野守)|(下総守)    (下総三郎)
     |          ∥―――――――東尚胤――――東素山
     |          ∥      (下総守)  (寿昌院)
     |          慈永大姉
     |                
     |        +―東頼数―――――東氏胤
     |        |(左近将監)  (宮内少輔)
     |        |
     +―東常縁――――+―東常和―――+―東常慶――――東常堯
     |(下野守)   |(下野守)  |(下野守)  (七郎)
     |        |       |         
     +―正宗龍統   +―東胤氏   +―東素経
      (建仁寺住持) |(最勝院素純) (最勝院)
              |
              +―常庵龍崇
               (建仁寺住持)

 

慈永大姉墓
慈永大姉墓(郡上市)

 母・長空慈永は永正3(1506)年2月に川栗城の北方の草庵で亡くなり、その葬礼に際して、一族の名僧・常庵龍崇が祭文を捧げている『祭慈永大姉文』。東常縁夫人として木蛇寺跡(郡上市大和町牧)に祀られ、彼女の墓と伝わる宝筐印塔(室町期)が遺されている。

 この祭文の中で、長空慈永は「中歳先君、既埋九京、薙髪為尼、独灯守貞」とあることから、夫の東元胤が「中歳」で亡くなった後、髪をおろしたのだろう。学問に励み、仏教をたしなみ、風流もある女性だったようだが、「逆虜伺隙、数襲吾城、大姉一笑、不揺心旌、軍中独得、女丈夫名」とあるように、敵が城に攻め寄せた際にも落ち着いており、「女丈夫」とされる人物でもあった。

●『祭慈永大姉文』(『続群書類従』所収)

   祭慈永大姉文
 維歳永正丙寅二月辛亥朔孟七之夕、長空慈永大姉卒於栗城北萱之堂、転盻問生七云臨、
 孝子総州刺史平公尚胤虔就墳院、設伊蒲之次、命族末釈龍崇、祭之以文、敢昭告其淑霊云・・・

 大永3(1523)年9月、武蔵国淵江から「東下総守守胤」なる人物から三条西実隆のもとへ和歌を記した書状が遣わされている。この「東下総守守胤」は尚胤であると考えられ、さらに「求浄斎素安」東常和入道素安であり、常和と尚胤はともに武蔵国の武蔵千葉氏の本拠地である足立郡淵江郷(足立区保木間から本木周辺一帯)にいたことがわかる。ただし、その後の尚胤の動向は不明。

○宮内庁書陵部『再昌草』大永3(1523)年12月10日条詞書

 大永三年十二月十日
 
  武蔵国淵江より、東下総守守胤書状に 九月状也
 
 あつまちや風のたよりのことの葉は 行ゑいかにといつかきかまし
 
  返し 十二月十遣也
 
 ことの葉はめにみぬ風の使ありと 聞わたりてそ月日へにける
 
  同求浄斎素安
 
 思いつることの葉なくは月も花も 袖にやつして年はへてまし
 
  返事
 
 思やれいまは老木の苔の袖 花も紅葉もわすれはてにき

 この2年後の大永5(1525)年9月6日、常庵龍崇(常和の弟)が三条西実隆のもとを訪れて、「東下野守」(東下野守常和)が逝去したことを伝えている(『実隆公記』大永五年九月六日条)。この時点でおそらく常和(求浄斎素安)はすでに京都へ戻っていたと思われる。

○『実隆公記』大永5(1525)年9月6日条

 東下野守逝去由被語、不便々々・・・

 その後、淵江を本拠とする武蔵千葉氏は小田原に本拠を構えた伊勢氏(後北条氏)の支配下に入り、さらにはその一族となる道をたどるが、その後北条氏の支配下の中に東氏は見られない。おそらく幕府の命による郡上東氏当主の東国下向は下野守常和の死によって終わりを迎え、下総守尚胤(守胤)は郡上へ戻ったのだろう。


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