相馬岡田氏　岡田信胤

■相馬岡田氏の歴代

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岡田信胤（????-????）

　相馬岡田一族。父は岡田左京亮胤行とされるが実際は不明。官途は伊予守。信胤が岡田氏であるかどうかも不明である。

信胤花押

　『相馬岡田系図』では「自延徳永正之間、沽却所々領知云々」とあり、延徳～永正年中（1489～1521）にはすでに活躍していた人物とされる。文亀３（１５０３）年には「前伊與守」と称しており、その頃にはすでに官途を経た年齢だったことがわかる。文亀３（１５０３）年６月２８日、信胤は蔵本長徳寺に質入れしている「具足、馬よろひの■銭、とふきんこはかま、太刀一、ちうかつかひの代二百文」を引き取る形として、「せきねのさいけ」や文亀３（１５０３）年から永正７（１５１０）年までの「八年」の間、「年具二貫五百文」などを履行する旨を示している（文亀三年六月廿八日「前伊予守信胤沽却状」『相馬岡田文書』）。翌文亀４（１５０４）年４月７日には、宛名不明（長徳寺か）ながら「四貫文本銭返」として田の券三枚の売券を渡している。ただ、後年「有相うけかへし候」ことも条件に含んでいる（文亀四年四月七日「信胤田地売券」『相馬岡田文書』）。

　時代的に見ると、相馬高胤から盛胤の二代の時代となるが、信胤の活躍は見えない。また彼が「前伊予守」を称していた文亀３（１５０３）年より十五年後の永正１５（１５１８）年６月には、「義胤」なる人物が質券を振り出し、三十年後の天文２（１５３３）年８月２０日には「基胤」が沽却状を発給している。それと同年にはふたたび「義胤」が避状を出している。

●岡田盛胤・信胤・義胤・基胤の時系列●

　上記によれば、岡田信胤の次世代の義胤・基胤はほぼ同時期の人物であることがわかる。彼らは実際の系譜上では、父子孫などとつなげるべきものではないと思われる。

●『相馬岡田系図』

・岡田胤久――胤行―――信胤―――――基胤―――義胤―――――茂胤――――――直胤―――――宣胤
（宮内大輔）（左京亮）（伊予守）　　（小次郎）（安房守）　　（治部大輔）　　（右兵衛大夫）（出雲）
　　　　　　　　　　　・延徳永正期　　　　　　・永正天文期　・42歳で没す　　・32歳で没す