朝6時、お城へ向かいます。GWの早朝ということもあって、街なかに人影はまばらです。街のいたるところに、江戸期の城下町の姿を説明した看板が立っているので、江戸時代をイメージしながら歩くのもまたおもしろいものです。
お城は昨日見た姿とまた違い、朝日を浴びてすがすがしい感じです。城内も人の姿はほとんどなく、昨日はゆっくり見られなかった藤棚や広場をゆっくりと観光。玄界灘から遠く前原市の峰々がかすんで見えます。
今日は千葉に帰る日なので、博多に着いたら福岡市内の観光をしたい。というコトは、唐津をなるたけ早めに出なくては、ということで散歩から帰ると、急いで朝食バイキング。そして、荷物をまとめてさっさとチェックアウトし、9時に唐津駅到着。そして10時14分、博多に到着しました。
博多での観光ポイントは、元寇の石塁跡、筥崎宮、福岡城、博多どんたくです。帰りの新幹線の時間が午後4時49分。観光時間はわずか約6時間半ほどしかありません。効率よくまわるために、まず博多駅から少し歩いて「中洲川端駅」から地下鉄に乗って「貝塚駅」へ。貝塚駅から少し歩いたところの「地蔵松原公園」という広い公園にたどり着きました。
ここは鎌倉時代に築かれた元寇の石塁がありました。かつては海辺だったこの地も今や住宅街に囲まれ、当時の面影は全くありません。また、石塁自体も埋め戻されて公園の地下に保存されており、実際に見ることはできませんが、石塁はこんな感じにあります、という印が地面を走っていて、その先に「元寇防塁」の石碑が建っています。この筥崎に陣を張って元寇に備えたのが千葉介頼胤でした。頼胤は文永11(1274)年、箱崎松原の戦いで負傷して亡くなりました。
続いて、「箱崎宮前駅」で降りて筥崎宮へ。筥崎宮には、応神天皇(八幡様)と神宮皇后、玉依姫が祀られています。筥崎宮は石清水八幡宮(京都)、宇佐八幡宮(大分)とならぶ「三大八幡」のひとつで、拝殿は天文15(1546)年に大内義隆の寄進によるもの。この海辺で塩害もすごいだろうに、460年も前の建物が現役とはスゴイ! そして、参道からずっと見えている巨大な楼門も、文禄3(1594)年に小早川隆景(毛利元就の三男)が寄進したものです。これも四百年ものあいだ、立ち続けています。
筥崎宮の参拝を終えて、となりの福岡県立図書館へ移動。福岡藩には小城千葉氏の流れと思われる千葉家(大宮家)が仕えており、その調査のために訪問しました。さすが県立図書館だけあって福岡藩関係の古文書がたくさんあり、結局全部調査できず、スケジュールの関係で2時間で退館。続いて福岡藩四十七万石の居城・福岡城へ向かいました。
福岡城は博多駅から西に3キロほどと、ちょっと離れていたため、地下鉄で城に最寄りの赤坂駅まで行くことに。さすがに四十七万石の居城というだけあって、城も石垣も巨大です。皇居にも匹敵する広さのお堀です。佐賀城は大きな石垣を使わない素朴さが漂っていますが、福岡城は石垣をふんだんに使った、いわゆる「お城」という感じのどっしり感があります。
今日は博多どんたくの日でもあり、人出はかなりのもの。堀端は散歩している人はもちろん、係員と思しき人やら観光客、仮装している人ともすれ違う。
お城にはまず大手門から入り、右手の三ノ丸シャクヤク園へ。ここは初代藩主・黒田長政の父親で、秀吉の軍師で知られた鬼才・黒田如水の隠居所がありました。シャクヤクも見ごろだったので、かなりの人出でした。少し離れたところに「黒田如水公御鷹屋敷跡」の石碑が建っています。小高い丘や礎石のようなものは当時のもの??
そこから福岡城本丸へ向いました。すでに天守閣はありませんが、天守台を含めた本丸跡、二の丸跡、二の丸御殿跡はかなり広々としています。
櫛橋氏――幸圓
(照福院殿)【福岡藩祖】
∥――――黒田長政 +―黒田忠之…【福岡藩】
黒田重隆―黒田孝高 (筑前守) |(右衛門佐)
(美濃守)(官兵衛) ∥ |
∥――――+―黒田長與…【秋月藩】
∥ |(甲斐守)
∥ |
保科正直―――娘 +―黒田高政…【東蓮寺藩】
(弾正忠) (大涼院殿) (東市正)
二の丸跡から家老屋敷跡(旧平和台球場)へ降りると、鴻臚館発掘作業が行われていました。「鴻臚館」は古代の迎賓館で、福岡城内に眠っていたことが昭和初期にわかり、その後、平和台球場が建てられましたが、球場の閉鎖後、平成11(1999)年から発掘作業が続いています。中国や朝鮮半島の陶磁器のほか、ペルシアガラスなどシルクロードの遺物もたくさん見つかっているとか。ここから中央の朝廷に向かったんでしょう。いまは茫々と草が生え、バドミントンやキャッチボールをしている人たちがたくさんいます。
時間はすでに午後3時半をまわっていました。新幹線は午後4時49分発のため、発車時刻まであと1時間ほどしかありません。駅までは3キロあるから、ちょっと急ぎ目で博多に行かないとお土産を買う時間もなくなります。ということで、超早歩きで博多駅に向かいました。途中、あちこちで博多どんたくに出演するグループといくつも出会いました。お店の人に披露しているグループもありました。
この天神通りが出店なんかが一番多いから、メイン会場なんだろうか? 地下鉄の天神駅もすぐそばにあるし、ちょっとパレードを見たら、見終わったらここから電車で博多駅に行ってしまおう。ということで、早速屋台で「博多地鶏」購入! さらに、佐世保バーガーも購入! パレードを見ながら昼飯代わりの食事を済ませ、4時23分の地下鉄に乗って博多へ。新幹線の時間まではまだ20分ほどあり、お土産&弁当を購入! 新幹線ホームに滑り込んできた「のぞみ」に乗りこみ、また5時間ちょっとの電車の旅。。。午後10時6分、東京駅着。
今回の旅費は、68,000円(新幹線・電車・宿泊代含む、食事代別途)でした。七割が新幹線往復代です。
おしまい